コインランドリーも都市型なのか地方郊外型なのかでお店づくりは変わります・都市型編
前回書いた【コインランドリーが増え続ける理由】ですがどこに作るか?でターゲットとするお客様は変わってきます。
コンビニエンスストアも同じシステムでありながら駅前・商業地と幹線ロードサイドや住宅街で取り揃える商品も違えばその売れ筋商品も変わります。
ローソンさんに至っては「ローソン」「ナチュラルローソン」「ローソンストア100」とブランドを分けて展開もしています。
ちなみに東京を中心に展開しているナチュラルローソンの最北端店舗は何と埼玉の大宮駅になります。
千葉県には浦安にあるだけです。
もちろん配送の関係も大きな理由ですが地方郊外にわざわざルートを開拓する程の需要や投資をするならノーマルローソンで十分という事です。
それだけ地域地域のニーズを取り込むという事は大事だという事です。
東京で成功したビジネスをそのまま地方郊外にもっていっても成功しないですし地方型のビジネスを成功させるのも
ランニングコストの違いもあり実現に高いハードルがあります。
コインランドリーで都市型と地方郊外型はどの様に考えればよいのでしょうか?
最もわかりやすいのが『駐車場』から始まるビジネスモデルです。個別で考察してみたいと思います。
都市型コインランドリーとは?
都市型はもちろんですが駐車場の確保が非常に厳しくなります。
したがってその商圏はあくまでも徒歩圏内になります。徒歩圏内人口がすべてといっても過言ではありません。
もちろん自転車もしかりですが今都心のコインランドリー密集度はかなり高いので500mを商圏範囲に加えてしまうと必ず競合店にぶつかります。
そもそも自分なら洗濯物を抱えて徒歩なり自転車で500mも移動しますか?
と考えるとよほどの理由がない限り一番近い店舗を超えて次に近い店舗に行こうという行動心理は生まれません。
100mくらいの差なら「安い方」という感じでしょうか?
実際にキャッシュレスだからという理由も大きな集客ツールには成りえていないという実情もあります。
自分がキャッシュレス中心の生活をしているから世の中の人もそうだと考えがちですが
世の中がキャッシュレスじゃないと生活がし辛い程には日本のITリテラシーは高くないのです。
キャッシュレスシステムをコインランドリーに導入するには150万円~200万円の費用が発生します。
決済手数料もかかります。その費用対効果はいかほどにもならないのが実情です。
もっとキャッシュレス化が進んでくればその導入費用も下がっているはずです。
それならば今はその投資分をお客さまに利用料金で還元する方が圧倒的に効果が高いと考えています。
では何が重要かと考えると個人的には徒歩5分圏内(354商圏と言われる事もあります)に何人住んでいるか?
を中心に考える事になります。もちろん大きな幹線道路・線路(高架含まず)・河川などの分断要因も加味しなければなりません。
逆に分断要因外に競合があっても考える必要はほどんどないという事です。
354商圏よりも200m・100mにどれだけの人が住んでいるか?より足元商圏の人口が大いに限ります。
そこに反比例するのが賃料になります。
コインランドリーの業務用機器は重量があるため空中階はできませんし洗濯物を持って階段を上ったりは難しいと思われます。
さらにその重量のため地下に空間があると難しくなります。したがって路面店になるのですがどうしても良い場所ほど賃料が高くなります。
コインランドリーでは出せて税込みで坪1万円というところでしょうか?
もちろんこれがお安くなればなるほど商売として有利になりますしテナントオーナーがコインランドリーをするのが一番収益を最大化しやすくなります。
機器構成も同じ都市型でも人口構成により変わります。
簡単に考えるとオフィス街か居住エリアかでコンビニの売れ筋が変わるように単身世帯や若者の多いエリアか
ファミリー世帯やシニア層の多いエリアかでお客様に選択頂けるサービスは異なってきます。
ここに失敗すると大きな機会ロス(チャンスロス)を生み出します。
簡単に販売する商品構成(機器・ハード面)が変更できないコインランドリーはここでも入口を間違えると痛い目を見てしまいます。
ではどの様に考えれば良いのでしょうか?全般的に都市型は一般衣類洗い中心のお店作りになります。
基本的には洗濯乾燥機と乾燥機を中心にお店を考えます。但し「大物洗いの選択肢をつぶさない」事が重要になります。
せめてシングルの羽毛をしっかりふわふわに仕上げる事の出来る機器構成を考えましょう。
これは実は機器メーカー・機器構成によっても差が出る所です。販売店の営業トークに振り回されないようにその考え方をしっかり深掘りしましょう。
ではファミリー層やシニア層が多いエリアはどの様に考えれば良いでしょうか?
こちらのエリアは「大物洗い」と「乾燥機のみ利用」が大きなキーワードとなります。
比較的大型の機器と乾燥機ドラム数が重要になります。メーカーや販売店が出してくる売上予測は「ドラム数×稼働率」で出してくる事が多いと思います。
これではドラム数や機器の台数が多ければ多い程売上予測が上がってしまいます。
実際のお客様の利用行動とは乖離してしまう事もあります。例えば小さい乾燥機が空いてなければ大きい方を使うというパターンの方が多いです。
大きい乾燥機が空いているにもかかわらず隣のコインランドリーに移動するというお客様は都市型では少ないと考えています。
しかも小さい方が稼働時間が長いのでお得というわけではないのがコインランドリーのガス乾燥機なのです。
いっぱいのお洗濯ものを小さい乾燥機で長く回すより大きな乾燥機で回した方が早く乾くので逆にお安くなる場合もあります。
コインランドリーに毎日いると気が付くのですがよくご利用いただけている常連のお客様は二つのドラムに分けて乾かす方もいらっしゃるくらいです。
熟成してきたコインランドリーは大型の乾燥ドラムの稼働率が上がって来るというデータもあります。
同じ「都市型コインランドリー」でも場所場所で必ずとの特異性があります。
幅広いお客様に満足度高いサービスを提供するために機器構成を選定し内装もちょっとした差別化と劣化しにくく
清掃しやすい5年10年と継続し続ける為のお店づくりを考えましょう。
壁紙クロス・床材はなぜそれなのか?そこにどんな想いがあるのかも重要です。
全ての理由をしっかり理論立ててお話できる営業の方と出会えるか?が重要です。
色々と書きましたがコインランドリーも他の店舗ビジネスに違わず「人口&賃料」の場所がほぼ全てを決めてしまいます。
したがって賃料の発生しない建物オーナーはその時点でかなり有利になります。
その次に「一般洗い・大物洗い・乾燥機の3商品の構成比」です。
すべての生活密着ビジネスと同じように先ずは「場所」が大事という商売の基本中の基本にコインランドリーももちろん当てはまるという事です。
但しそこに商品構成と商品力とそこに付随する確固たるスキームが大事です。
それは開店後に積み重ねで得る事も多いにあります。開店後のトライ&エラーも続けて行く事で見えてくる事が多いのです。
って偉そうに書いてますが日々試行錯誤してます…
作成者:志水