コインランドリーも都市型なのか地方郊外型なのかでお店づくりは変わります・地方郊外型編

【地方郊外型コインランドリーとは?】

前回の都市型編に続いて地方郊外型のお店づくりです。

まず都市型との比較ですが昨今では収益性を考えると地方郊外型の方が収益を上げているという実態があります。

都市型でキーポイントだった「場所」と「賃料」が圧倒的に有利に働きます。

車社会である事が多いので絶対に好立地でなくてはならないというわけではありません。

どちらかというと車での出入りのしやすさや駐車場の停めやすさの方が大事です。

次に都市型との違いとしてお布団や毛布・こたつ布団などの「大物洗い」に特化した店舗をどう作るか?が大きなカギになります。

なぜ大物洗いにこだわるのでしょうか?一般衣類洗いの需要掘り起こしとお布団・毛布洗いの需要掘り起こしは難易度が圧倒的に違うという事があります。

そもそも一般衣類はお家でやればほぼ「タダ」で出来るという認識があります。

お家でタダで出来るものをお金を払ってコインランドリーへの来店動機を作るのは大きなハードルになります。

これが雨天時にコインランドリーが混雑する理由です。雨天時に洗濯物を乾かすことが「できない」からです。

お家で出来ない事がコインランドリーで出来るので雨の日にコインランドリーを使って乾燥するという事です。

すごく簡単なことですがこの「できない」というキーワードが大事になります。

そうお布団・毛布・こたつ布団などの大物洗いはお家では一般的に「できない」という事です。

そしてそのサービスの唯一の競合相手はクリーニング店となります。

一般的にクリーニング店の半額以下で洗いから乾燥まで出来てその日の内に持って帰る事が出来るのです。

その日の寝具に困らないのがコインランドリーです。そこに特化するというわけです。

そんなお店づくりとは?結論から言うとその地域で唯一のコインランドリーを作り最初から地域一番店目指して作る事です。

それにより収益性の高いコインランドリーになる事が出来ます。

「地域で唯一の店舗なのに一番店?」というちょっと矛盾した考え方ですが競合が出にくい状況を作るという事に他なりません。

これは都市型にも言える事ですが「このお店とは戦いたくないな…」とか「このお店のクオリティは高いな…」と思わせる事が重要になります。

これは他の業種にも言える事ですが「強い競合」とは戦いたくないのです。

セブンイレブンの隣にローソン・ファミマを作る事はないですがその逆はあり得るという事です。

「この程度なら相手にならないな」とか「お客さんを取って潰してやれ」と思う事もあるという事です。

今順調なお店もたまたま競合が出ていないだけかもしれません。

油断せずに常に脇を固める事が出来ていれば競合の出にくい環境を作る事が出来るのです。

常にお客様満足度の向上に努めましょう。店舗のハード面で一番最初に考えるのは駐車場です。

最低でも乾燥ドラムと同じくらいの台数を確保するのが理想です。それも店前に停められるかどうかも大事です。

次に機器構成ですが洗濯乾燥機に固執する必要はありません。

もちろん今時の店舗において洗濯乾燥機の設置は必須ですがそもそも洗濯乾燥機は機器自体の値段が高いので収益性を圧迫します。

損益分岐点が高くなってしまいます。業界的に「洗濯乾燥機が正義」という風潮がありますが鵜呑みにしないようにしましょう。

洗濯乾燥機の台数を2倍にしても売り上げが2倍になるわけではありません。あくまでもバランスが大事という事です。

そして大物洗いの仕上がりにおいて洗濯乾燥機よりも洗濯機と乾燥機をわけて利用して頂く方が圧倒的に仕上がりが良いのです。

コインランドリーは「モノ」消費ではなく「コト」消費です。ふわふわ仕上がりを体験してさらに寝るときに体感して頂く事がリピートに繋がるのです。

このリピートがとても大事なのです。ここでの問題点が一般的にはまだまだ「布団・毛布を洗う」事は当たり前ではないのです。

通常は「干す」のがベーシックなので先ずは「お布団洗える」というきっかけをこちらで作り出し体験体感してリピートしてもらう。

この流れを地道にやるしかないのです。ただこのスキームに乗って頂いたお客様は年に数回必ずリピートして頂けるようになります。

特に地方郊外のご家庭には1枚2枚のお布団ではなく家族分の夏・冬用の寝具があるので1回の利用の高単価化が考えられます。

家族分の1シーズンのお布団だけで5000円近い単価になると思います。

洗濯乾燥機だけではなく1度に2枚以上洗える洗濯機があればダブルの寝具にも対応できます。

乾燥機も大型の乾燥機を使う事でしっかりふわふわに仕上げる事が出来るのです。

ここまで大物洗いに特化したお話をしてきましたが一般衣類に関してもここまで機器を揃えればしっかり対応できます。

大は小を兼ねるという事です。私共の最新のお店ではあえて一般専用の小さい洗濯機をいれて200円設定にしています。

200円で洗って300円で乾かすというワンコインで利用が出来るサービス構成を作っています。

駐車場付きで幅広いサービスを提供する事で地域一番店をつくる。これが地方郊外型のあるべき姿ではないかと考えています。

これが人口の少ないエリアで収益性の高いコインランドリーのお店づくりが出来ると思います。

余談ですが地方郊外になるとシニア層の人口構成が高まります。

これは経済的にどうなのかというと「年金」がそのエリアの経済を支えているという事です。

物欲は高くないが安定した収入があるのが今の日本のシニア層です。

元気なシニアが多い今の日本で特にモノ消費よりもコト消費に流れやすく大きな店舗を作る事で

コミュニティの発生しやすい店舗づくりが鍵なのではないでしょうか?

都市型・地方郊外型に限らずどのようなお客様にどのように使って頂くお店をつくるのか?

それをしっかりイメージする事が大切です。そのイメージを固めるには先ずは自分がコインランドリーを消費者として色々と使ってみるのが大切です。

しっかりと自分がお客さまとして利用し良いお店良い所・悪いお店悪い所をしっかりわかるようになる事が大切なのです。

これが出来ていない事が多いのが現在のコインランドリー業界です。

ラーメン屋さんを始めるのにラーメンを普段食べない…そんな事は他の業界では殆どありません。

「こんなお店がつくりたい」その想いがないと営業トークに巻き取られてしまいます。

その想いに経験者の知識や情報を取り入れる事が出来れば商売として強いお店が作れるのではないでしょうか。

もし遊休地の活用でコインランドリーをやりたいんだけどそのエリアにとても良いお店がある場合は断念する方が正解かもしてません。

逆にコインランドリーがない市町村の遊休地活用は大きなチャンスとも言えます。

そんな時一番大事な事としてその地域の皆様にとても喜ばれるサービスを提供出来るという事です。

そんな「スマイル」を作りだす商売がコインランドリーなのです。

だからこんな社名なんです(笑)

作成者:志水

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